工房です。今回は Dell Precision T3400 の SSD 換装の案件です。実装上の注意点がありました。キーワードはネジと熱収縮チューブ。


Dell Precision T3400 は、2007年に発表、2009年に後継の T3500 が発売されるまで比較的長期に販売された 「WorkStation」カテゴリのパソコンです。
普通のPCと何が違うかというと、価格が高いのが一番なのです。そしてこちらの方が本来の「PC らしい PC」なのです。
sv_precn_t3400_angleview_front
RAIDにも対応したしっかりしたマザーボードにCPUとチップセットが乗っていてオンボードグラフィックでは無くグラフィックカードが拡張スロットにしっかり入っていて、DVI-I が二つあり、モニタを二つ接続可能ということで、昔ながらの構成で作られているPCです。CPUも交換可能、メモリも追加自由、仕様にも幅があり、各種部品が搭載可能です。


CPUのラインアップは、Core2Duo シリーズの E4300 ~ E8500 、Core2Quad で 4 コアの CPU も搭載可能ということで、現在の CPU と遜色ない仕様を構成することが出来ます。メモリスロットが 4 つあり、PC2-5300 DDR2 SDRAM 667MHz ECC / PC2-6400 DDR2 SDRAM 800MHz ECC
などが搭載可能です。今となっては古い規格ではありますが、逆に安価に手に入るパーツですので、2G×4枚で8G~4G×4枚で 16G バイト搭載可能です。まだまだ現役で使えそうです。


弊社に到着した時点で Windows7 Pro 64bit がインストールされておりました。メモリは1G×4枚で 4G バイトです。ビデオカードが別搭載ですので OS がほぼ 4G バイトの空間を使うことが出来ます。


OS の起動ドライブを SSD に換装するということで、現在入っている HDD はデータドライブになります。当時はまだ HDD 容量が少なかったようで、160G の HDD が入っていました。今回換装の SSD も使い慣れた INTEL 製 SSD 530 シリーズ、120Gバイトの製品です。SATA は 6 ポート装備していて RAID0,RAID1,RAID5 まで対応出来る素晴らしいマザーボードです。
内部を開いて困りました。SATA のポート位置がわかりません。文字が小さいし良く読めない。ということで一つづつ接続してテストしてみました。以下がその結果です。

STATポート位置

DELL T3400 SATA


INTEL社の SSD はリテール版にはデスクトップ PC への SSD 搭載用 3.5インチ HDD マウント台座が添付されています。
DELL T3400 は 3.5 インチの HDD マウントは 2 つ、しかし将来 HDD を 2 台 RAID で搭載するには、SSD は別の位置にマウントしたいところ。このタイプは、5 インチベイが 2 つと 3.5 インチベイが 2 つあります。3.5 インチベイはもともと FDD マウント用のようです。正面カバーを外すと、裏側に取り付けネジが添付されていました。親切な設計で感謝。
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しかし実際に INTEL の台座にこのネジを通すとグラグラ。歴史的な問題で HDD はインチネジ、FDD はミリネジなんです。しかし、このネジを使用しないとマウンタのレールに乗らない設計です。困ったなぁ。INTELさんもFDDマウントへの搭載も考慮してインチネジとミリネジの両方の穴を開けて置いて頂けると設置範囲が広がって良かったのですがね。SSD には回転部分が無いので本来振動には強いはずなのでレールにさえ乗れば良いと判断してネジに熱収縮チューブを被せることにしました。
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直径2ミリほどの熱収縮チューブを短く切り、ねじ山部分に置きます。手元に適当な熱源が無かったため半田コテで暖めチューブを収縮させます。
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インチネジとミリネジのサイズ問題はチューブを挟むことで解決。このネジで締め込むとしっかり安定しました。FDD 下の安定した部分にしっかりマウントできました。
起動テストも無事に終わり換装終了。前回 MAC の SSD 換装で苦労したので、すぐに終わって安心です。快適性を確認するために、いくつかテストしてみます。HDD 搭載の最新ノートPCよりも快適に作動している感じがします。とても2009 年製の PC とは思えない快適性。今回の PC は、Core2Duo E8400 という当時は非常に人気のあった CPU です。ビデオカードも当時としては高性能であった FireGL-V3600 がついています。スコアも5.1と6年近く前のビデオカードしては優秀です。実際、Word,Excel 等は起動も速く、作動もスムースでとても快適です。事務作業とネットとメールに使用するならば全く問題の無いというか非常に快適なレベルです。新品時モニタセットで 20 万円近くしたはずです。結果的に SSD 換装費用を足してもさらに長期間快適に使用できることを考えれば安い買い物です。PC の買い方としては賢い選択と思います。安価になってきた大容量 HDD を二台搭載して RAID1 を組んでファイルサーバとして使用可能であるので将来的に検討対象としていただくこととしました。
最後に将来さらなる機能拡張をするときのために、SATA の位置を裏フタにマジックで手書きしました。
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「CR」の文字は、コインリチウム電池で寿命5年程度とするとあとしばらくで寿命です。その時のために書いておきました。
デュアルモニタ仕様ということで、以前より使用していた 17 インチスクエアタイプ【4:3】のモニタ二台を接続して「拡張デスクトップ」つまり横に幅広い画面を構成しました。現在はワイドモニタが主流ですが、昔のスクエアモニタ二台で横に並べて疑似ワイドモニタ仕様です。デュアルモニタを体験するともうシングルモニタで仕事しようとは思わなくなるんですよね。経験的に。


工房 はっとり

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