今回は、セキュリティカメラのi-Proシリーズの遠隔地画像伝送を
IPv6で使うことをテーマとしています

お詫び 2023/02/03内容を大幅に修正し再掲載しています。
以前の記事には不正確な情報【IPv6 まわりの説明について】が多く含みます。

結論だけ先に書きますと、 IPv6 にて PCでの監視、スマホでの監視が可能です
レコーダーは、対応機器が少なくて、現時点ではパソコンソフト利用での録画のみです。

※記事の内容はNTT東日本フレッツシリーズ+HGW の利用を前提としています
 NURO光など、IPv6に完全対応している場合、この記事の内容の多くが対応可能となります

Panasonic 防犯カメラ i-Pro シリーズでは、
H.264 または H.265 での高解像度【HD 画質以上】の映像送信が可能です。
遠隔地にデータ伝送できるのが IP カメラの強みなのですが
高解像度で問題になるのは、データ伝送帯域です。
インターネット経由の画像伝送では、プロバイダーにもよりますが
通常の IPv4 (PPPoE) を使用したインターネット経由、VPNを用いず
直接ポート転送で http にてデータを送受信したとしても、
伝送帯域は5Mbps~20Mbpsあたりです。(NTT PPPoE)
HD(1280×720) 15fps のIPカメラ( H.264 )では 2台程度の同時伝送ならば
比較的安定して伝送できます。混雑する時間帯などは、それでもコマ落ち
するくらいの転送帯域の変化があり、安定度に欠けます。

NTT 東日本の中だけに限れば、「IPv6網内折り返し」という
NTT フレッツネクストシリーズなどで利用できる
広帯域、低遅延の基本機能を使用することができます。
同一都県内であれば、3ms~5ms という低遅延、
80Mbps(VDSL等)から200Mbps以上という広帯域
が実現可能で、時間帯による帯域変動も少ないです。
※帯域については利用ルータによる差も大きい

※NTT 東日本から NTT 西日本へは網内折り返しのみでは IPv6 直接接続できません。
 IPv6対応プロバイダー契約により IPv6 接続をする必要があります

「IPv6網内折り返し」 を使う上での最大の障害は、「IPアドレス(IPv6)」です。
NTT 東日本から配布される IPv6 アドレスはダイナミックです。【変化する】
ということで、DDNS【Dynamic DNS Name Service】が必須となります。
https://i.open.ad.jp/ 
により、NTT 東日本に限りますが、DDNS を利用することができます。【無料】
上記サービスは「実験サービス」という位置づけですが、
業務に利用するならNTT東日本の正式サービス【有料】
https://business.ntt-east.co.jp/service/ddns/
を使うことも可能です。
【サービス開始直後でまだ使い方などは明確ではありませんが似ていると思います】

ルータは、NTT 東日本のレンタルルータ
【多くの場合はひかり電話のゲートウエイ機器】の設定と
回線の「フレッツV6オプション」がカギになります。


※この記事では、一般家庭、SOHO、小規模店舗などで多用している
NTT のレンタルルータ【ひかり電話あり】を利用する例を想定して記述しています。
プロバイダー契約は、IPv4 はPPPoE 契約を想定しています。
IPOE 契約の場合は、IPv4もIPv6を経由しますので
今回の記事の内容と異なる場合もあります。

上記は、PR-500KI の例です。
NTT のレンタル品であれば、300番台以降の製品ならば同じ設定が可能です。
次にカメラ側です。
まず、カメラにIPv6が割り当てられているかどうかを確認します。

「RA」の項目にアドレスが表示されていれば、NTT東日本が割り当てた IPv6 アドレスが取得できています
NTT 東日本がレンタルする HGW (Hardware Gate Way 以下 HGW と記載) の場合とONUの場合で、DHCP-v6 または RA のどちらを使うのか?
ということについて、原理から見ていくとひかり電話の加入の有無により変わり、解釈難解です。

NEC IXルーターの設定の説明では
ひかり電話を契約していない。⇒RA(Router Advertisement)を使用してIPv6プレフィックスを取得します。
ひかり電話を契約している。⇒DHCPv6-PD で IPv6 プレフィックスを取得します。
  ※ルータ配下に HGW が RA にて配布を行う

という書き方が一般的なのですが、ルータ設定を起点に考える場合は、この考え方で良いのです。
IPカメラの場合は、ルーターの機能を持ちませんので、RAの配布を受ければ大丈夫と考えてください。

【加筆訂正】HGW が NTT 交換機側より DHCPv6-PD の配布を受けて、RA にて配下に配布します。
他のルータを並列に接続した場合、「取り合い」が発生して動作が不安定になります
※この問題は、ルータの設定での特異なテーマですので別記事にて記述する予定です。

Panasonicの i-pro に関しては、ひかり電話 HGW 配下に接続する場合 「RA の取得」で大丈夫です。
DHCP-v6 の切り替えも可能です。Panasonic i-Pro では、DHCP-v6 設定可能な項目があります。

※NTT 東日本の仕様では、ひかり電話契約(とHGW)がある場合、RAを設定必須です。

通常はDHCPv6は、基本的には OFF です。【ひかり電話 HGW の有無に限らず】
https://i.open.ad.jp/  などで DDNS のアドレスを取得した後、本体に設定をします。

DDNSの更新は、 今回の実験では、NTPサーバ利用の更新機能を用いて行います。
NTPサーバアドレスは、「専用更新アドレス」を書き込みます
NTPとしても機能しますので本体の時計機能の校正も正確に作動します。

※更新間隔の設定によりアドレス変更時の追従時間が異なります。NTPの場合最小は1時間です。
 もっと追従時間を短縮する場合は、「FTP定期送信」を使用して30秒程度に設定が良いと思います。

http://xxxxxxxx.i.open.ad.jp にて IPv6 アドレスによるアクセスが可能となります。
遠隔地【相当共にNTT東日本の回線であることが必須】
無事にアクセスできれば、あとは高画質のモードで画像転送をテストしてみてください。

弊社実測値により、文京区、豊島区、杉並区の間で
30Mbps 程度でも安定して通信ができています。
また、その際に通常のIPv4 ネットワークの帯域にはあまり影響しません。
通常のネットワークの帯域を圧迫することもありません。

なお、2021年7月現在
Panasonic 製のレコーダーはIPv6に未対応です。
なので、
レコーダーはローカルアドレス内にてIPv4接続、カメラもIPv4接続にて録画
遠隔地へのデータ伝送はIPv6利用【カメラはIPv4とIPv6のデュアルスタック(両方同時利用可能)】
となります。
IPv6での録画は現時点(@2020/02/01)では、Panasonic製 Windows対応ソフトウエア
BB-HNP17 が対応しています。

ビュアーの機能のみであれば、無償版の BB-HNP17 無償版 [v4.06R04] ※2021年10月現在の最新版

サイトにて以下を検索してみてください。

https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services_security_support_specifications-manuals-firms-tool_2012022214101236

ネットワークカメラ専用ビューアソフト 無料版 [ファームウェア]

無償版はJPEGのみという制約があるためネットワーク帯域に
H.264と比較して2倍から3倍の帯域消費増加があります。

NTT 東日本フレッツシリーズ接続限定ではありますが、
IPv6網内折り返しを使用しますと JPEG の大量データも IPv4 の既存通信に
大きな影響を与えずにIPv6通信にて映像伝送を行うことが可能となります。


試して見る価値はありそうです。

ちなみに、Panasonicから無償提供されている、iProシリーズ用スマホアプリ

Panasonic Security Viewer
https://biz.panasonic.com/jp-ja/products-services/security_software/lineup/app
iOS、Androidに対応

IPv6に対応している Wifi 環境であれば、視聴可能です。
LTE を用いた IPv6 接続は、LTE 上で IPv6 が機能している状態が必要です。
※1.docomoであっても、NTT東日本の「網内折り返し」には接続できません

追伸

世の中では H.265に続き、H.266 という次世代方式も発表されています。
防犯カメラ系は「枯れた」技術を長く使う傾向にありますので、
まだまだ H.264 を伝送するケースは多いのではないかと思います。
2015年発売の機器でも IPv6 (特に RA , DHCPv6 切替) に正式に対応している
Panasonic の iPro シリーズは、古い機器の延命効果をもたらす
「先を見た」仕様であるということでメーカーさんの先進性に感謝です。

ぜひお試しを
工房 はっとり

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